LFS構築記12日目〜Xのインストール

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BLFS Book: Chapter25.X Window System Environment

前回までにGUI環境(X Window System)のインストールに必要なライブラリ等をインストールし、GUI環境を構築する準備が整いました。先ずは、GUI環境のベースとなるXをインストールします。実行コマンドは以下のとおりです。
Xorg-6.8.2
$ wget ftp://ftp.opengroup.org/pub/x.org/pub/X11R6.8.2/src-single/X11R6.8.2-src.tar.bz2
$ tar jxvf X11R6.8.2-src.tar.bz2
$ cd xc
$ sed -i '/^SUBDIRS =/s/ etc$//' programs/Xserver/Xprint/Imakefile
$ pushd config/util
$ make -f Makefile.ini lndir
$ su
# cp -v lndir /usr/bin
# exit
$ popd
$ mkdir ../xbuild
$ cd ../xbuild
$ lndir ../xc
$ vi config/cf/host.def ← 以下の内容でファイルを作成
$ cat config/cf/host.def
#define HasFreetype2 YES
#define HasFontconfig YES
#define HasExpat YES
#define HasLibpng YES
#define HasZlib YES
#define XInputDrivers mouse keyboard
#define XprtServer NO
#define BuildXprintClients NO
$ sed -i -e "s@^#include @/* & */@" `grep -lr linux/config.h *`
$ ( make World 2>&1 | tee xorg-compile.log && exit $PIPESTATUS )
$ su
# make install
# make install.man
# ln -v -sf ../X11R6/bin /usr/bin/X11
# ln -v -sf ../X11R6/lib/X11 /usr/lib/X11
# ln -v -sf ../X11R6/include/X11 /usr/include/X11
# vi /etc/ld.so.conf ← 以下の内容に修正(3行目を追記) 
# cat /etc/ld.so.conf
/usr/local/lib
/opt/lib
/usr/X11R6/lib
# /sbin/ldconfig

インストールが完了したら、/etc/X11/xorg.confの設定を行います。Xの設定方法は色々とありますが、ここでは、グラボのドライバやディスプレイを自動判別して雛型を作成してくれるツールを使用したいと思います。具体的には以下のとおりコマンドを実行します。

$ su -
# Xorg -configure

上記のコマンドを実行すると、rootのディレクトリにxorg.conf.newというファイルが作成されているかと思いますので内容を確認します。なお、上記ツールではキーボードの自動判別はできないため、日本語キーボードを利用している場合、修正する必要があります。具体的には、キーボードの設定セクションの中に以下の2行を追記します。
また、小生の環境では、次のX起動テストの際、モニターに「out of range」とかモニターが出力しているらしきメッセージが出力され、起動に失敗しました。モニターの設定セクションを見ると水平・垂直周波数が設定されていないのがダメなのかな?と思い設定した後、テストをしてみた所、起動に成功したので、その設定内容も併せて記述しておきます。

# cat xorg.conf.new
~中略~
#キーボードの設定セクションに以下の2行を追記
Option "XkbModel" "jp106"
Option "XkbLayout" "jp"
~中略~
#モニターの設定セクションに以下の2行を追記
HorizSync 28-51
VertRefresh 43-60
~中略~

Xの設定ファイルの確認が終わったら、Xの起動テストを行います。以下のコマンドを実行します。

# X -config ~/xorg.conf.new

上記コマンドを実行し、マウスポインタが「X」で表示され、問題なく動いているようでしたら成功です。[Ctrl]+[Alt]+[BackSpace]でXを抜けて正規の設定ファイルとしてインストールします。具体的には以下のコマンドを実行します。

# mv ~/xorg.conf.new /etc/X11/xorg.conf

Xの設定ファイルが完成したら、ウインドウマネージャ(現段階ではtwm)等の最低限必要な設定を以下行います。

$ vi ~/.xinitrc
$ cat ~/.xinitrc
xterm +lc -g 80x40+0+0 &
xclock -g 100x100-0+0 &
twm
$ su
# vi /etc/sysconfig/createfiles
# cat /etc/sysconfig/createfiles
/tmp/.ICE-unix dir 1777 root root ← X起動時に余計な警告を表示させないための設定
# exit
$ startx

ここで、twmが起動しない問題が発生。Xがハングし、キーボードも入力を受け付けない状態に陥りました。原因はわかりませんが、とりあえず、Xのログ(/var/log/Xorg.0.log)を参照すると、グラフィックチップ関連のエラーが発生していることが判明。Xがグラフィックチップの自動認識に結局のところ失敗してんじゃね~か?とあたりをつけ、再度設定し直すことにしました。
同じ方法で再設定しては意味が無いので、ここは、昔ながらの設定方法でやってみることにしました。

# xorgconfig
~主な設定内容は以下のとおり~
・mouse protocol type → 1.Auto
・mouse device → /dev/psaux
・keyboard type → 11.Japanese 106-key
・国の設定? → 44.Japanese
・horizontal sync range → 11.Enter your own horizontal sync rangeを選択し、28-51を指定
・vertical sync range → 5.Enter your own vertical sync rangeを選択し、43-60を指定
・card definition → 15.Intel i810(generic)
・video memory → 9.65536K
・color depth → 5.24 bits (16 million colors)

xorgconfigの最後に/etc/X11/xorg.confに保存すっか?と聞いてくるので、気にせず保存して既存のファイルに上書きしてしまいます。その後再度startxで起動したら無事twmが起動しました。

最後にxdmの設定を行い、ひとまず終了とします。それには、/etc/inittabファイルを以下のとおり編集します。
/etc/inittab
# vi /etc/inittab
# cat /etc/inittab
# 最下行に以下を追記
x:3:respawn:/usr/X11R6/bin/xdm -nodaemon
# cp /etc/pam.d/login /etc/pam.d/xdm ← xdmのPAM設定ファイル作成
# exit
$ cp ~/.xinitrc ~/.xsession

以上の設定ができたら、LFS Linuxを再起動します。GUIのグラフィカルなログイン画面が表示されるはずです。

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このページは、webmasterが2007年1月 9日 04:37に書いたブログ記事です。

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